鳳凰三山南部 高谷山(1842.1m)団子沢山 (1744.8m)   2011年8月29日

所要時間
 5:24 夜叉神登山口−−6:16 夜叉神峠−−6:35 高谷山−−7:02 かんば平−−7:30 団子沢山 7:38−−8:13 かんば平−−8:45 高谷山−−8:57 夜叉神峠−−9:27 夜叉神登山口

概要
 夜叉神峠より稜線上を往復。笹藪を心配したが笹があったのは夜叉神峠近くだけで、他は落葉樹林帯で下草もなく、途中までは明瞭な踏跡もあって籔とは無縁の尾根だった。ただし1750m峰付近は踏跡が無くなるので地形に従って進む。ここも藪皆無。山頂は狭い場所で三角点は少し北側に下った場所にある



 今週は仕事の都合で1日しか休みが確保できない。本当は熊穴沢ノ頭に行こうと考えていたが、ここでは想定される所要時間からして戸台に戻ってくるのは夕方近くになりそうで、帰りの渋滞を考えると翌日の仕事に響きそうだし、天気予報では南アは午後から雨の予報。後日、代休をとって行くことにしてもっと簡単だがそこそこ歩けるところを探してみる。少し標高が不足するが距離的には半日程度の場所として団子沢山が目に付いた。ここは夜叉神峠から南に伸びる尾根上にあり標高は1700m強、この地域ならブナ科の広葉樹林とシラビソの境界くらいだろうか。問題は笹の有無で夜叉神峠付近は笹が茂っていて、この尾根上も笹がある可能性がある。高谷山までは登山道があるのでいいが、その先は正式登山道は無く道の状態は不明だ。まあ、激藪とまではいかないだろうからこの夏の時期でも早朝ならいけるだろう。ただ、朝露で濡れた藪をかきわけることになるかもしれないが。


 夕方に東京を出発、中央道の上り車線は小仏トンネルを先頭に約30km続いていたが下りはガラガラ。これだから平日休みはいい。ただ、平日でも夕方は小仏トンネル先頭で10km以上渋滞していることがザラにあり、この時間帯よりも早く帰りたいものだ。甲府南ICで降りて芦安を越えて夜叉神登山口へ。日曜深夜なので駐車場はガラガラ、登山口に近い場所に車を突っ込んで酒盛りして寝た。夕立の名残だろうか、芦安から上部は霧と雨で、明日は藪があったらびしょ濡れになりそうだ。


夜叉神登山口駐車場 夜叉神登山口
峠まで立派な登山道が続く 夜叉神峠


 翌朝、薄暗い時刻に起きて空を見ると晴れているようだった。朝飯を食って出発、まだゲートが開く前なのでタクシーは1台しかいない。月曜日なので広河原も入山者は週末よりずっと少ないだろう。峠までは緩くジグザグに広い登山道を上がっていく。途中、小さなナップザックの登山者2名に追い越された。どこまで行くのだろうか。


高谷山方向の登山道 峠近くのみ笹が被っている
夜叉神峠付近から見た白根三山
夜叉神峠付近から見た間ノ岳〜北岳
高谷山へ登る 高谷山山頂
高谷山から桃の木温泉へ下る道がある 高谷山から見た北岳


 夜叉神峠に到着、少し南にずれると雲が部分的にかかった白根三山の姿が。これより先は濡れた笹が被っているのでロングスパッツで防御が必要だったが、意外にも笹が茂っているのは峠近くだけで、進むにつれて道が良くなってきた。2回目の高谷山山頂は無人で、ここは樹林に覆われているが西側のみ少し伐採したようで北岳付近が見えた。


団子沢山方面の入口。まともな道があった

明瞭な道と目印が続く。笹は開花後に全て枯れたらしい

ここだけ露岩ありだが危険なし 小規模なブロッケン現象(写真写りが悪い)


 これより先は正式登山道が無く植生が気になっていたが、現場を見てみると南下する尾根には明瞭な踏跡があり、点々と目印も続いているではないか。団子沢山まで道があるのかは不明だが、しばらくはルートに不安はないようだ。下っていってもずっと踏跡と目印は続き、明らかにそれなりの人数が歩いていることが分かる。1箇所、傾斜が急になって露岩の間を抜けるところがあるが特危険はなかった。ピンクリボンがえらく頻繁ぶらさがっていて迷いようがないくらいだ。


最初の鞍部 鞍部の高谷山方面
鞍部から桧尾峠(桃の木温泉)方面の道 伐採された木が転がる


 最初の鞍部に降り立つと地面に落ちた標識が3枚あり、2つは「高谷山」、も一つは東にトラバースする踏跡を指して「檜尾峠」だった。高谷山は正しい方向に看板を置きなおした。ここは2重山稜でわかりにくい地形であるが、踏跡と目印は明瞭なので問題なく、鞍部からまずは東側の尾根に登り、それを乗り越えて西川の尾根に登って、以降はその尾根上を南下する。正確には尾根の西側を僅かに巻いて進む。次の鞍部付近は邪魔な藪を最近伐採したようで、まだ青い葉を付けた細い木がいくつも根元から伐採され放置されていた。踏跡の整備が目的ではなく、唐松植林帯の手入れの結果だろう。


まだまともな道が続く かんば平
かんば平の標識 かんば平から見た甲斐駒
かんば平から見た鳳凰三山〜白根三山


 尾根に戻って踏跡を進んでいくと西側が開けた小ピークが登場、標識が立っており「かんば平」と書かれていた。ここも西側が開けて白根三山の展望がいい。標高が標高なので基本的にこの尾根はずっと樹林に覆われており、展望が得られるのは夜叉神峠、高谷山、そしてかんば平くらいしかなかった。もし樹林が無ければ白根三山のいい展望台なのだろうyが。


なだらかな稜線を進む 稜線東側は深いシラビソ樹林
1740m平坦地付近 1750m峰


 かんば平で尾根は左に曲がり、なだらかな傾斜が続く。だだっ広い1750m峰が近づくと尾根が広がり、左手(東方向)の緩斜面は密生したシラビソ樹林となる。傾斜が無くなり平坦になったところで(標高1740m付近)、今までうるさいくらいあったピンクリボンがパッタリと消失、いったいどこに導くための目印だったのか。この先はたま〜に古い赤布やテープを見かけるだけになり、地形が広がった影響か踏跡もフェードアウトしてしまった。まあ、尾根が広いといっても周囲が見えれば尾根中心がどこか分かる程度だし、基本的には直進すればいいので目印も踏跡も不要であるが。藪は皆無で気持ちよく歩ける樹林帯であった。


1670m鞍部から登り返し 傾斜が増してピークらしくなってくる
岬のような団子沢山最高点 最高点北側に三角点あり


 1750m峰を越えて下るところも尾根が不明瞭で適当に下ったが、ここは2重山稜となっていてどちらの尾根でも中央の谷でもOKであった。鞍部から先は尾根が細くなり動物も同じ場所を集中して歩くのか、道筋が明瞭になった。東側が切れ落ちて樹林も切れて明るい尾根で、少し傾斜が出てきて山頂へと登る感じになる。たぶんこのピークが団子沢山だろう。シラビソの倒木を越えて薄暗いシラビソ樹林帯に入ると傾斜が緩まり、半島のように突き出した小さなピークが最高点であった。標識等は無く念のためGPSの電源を入れると団子沢山に間違いなかった。エアリアマップを見ると三角点があるはずだが最高点には見当たらず、しばし周囲を探索。東側は崖状なのでそれ以外の方向のはずだが、北側に少し下ったところに赤テープが下がった木があり、その袂に三角点が頭を出していた。その近くには文字が読み取れなくなった古い標識が地面に落ちていた。


 夜叉神峠に上がってからはあまり大きなアップダウンが無く、思ったよりも大汗をかかずに到着できた。おまけに樹林で日差しは皆無だし、どうもガスがかかりだしたようだ。霧が流れると体感温度が下がって涼しい! 往路でルート取りはおおよそ分かったので、帰りはガスられても大丈夫だろう。疲労もほとんど感じなかったので休憩無しで下山にかかる。まあ、高谷山までは下りではなく登りの方が多いが。


帰路の1750m峰 最後のピンクリボン
ガスに覆われたかんば平を通過 高谷山南側の鞍部
高谷山へと登り返す 高谷山再び


 1750mに至って以降はずっとガスの中で、かんば平も展望皆無に変わっていた。もしかしたらこれは雲海の雲の中で北岳等の南ア主稜線に上がれば晴れているのかもしれないが。涼しいのは大助かりだが、雨が来ないとも限らずあまりいい気持ちではない。高谷山ではガスの層を抜けて晴れのエリアに入ったが、白根三山は雲に覆われていた。どうも今日は下界は晴れても山は雲の中のようだ。


帰路の夜叉神峠 登山口に戻る


 夜叉神峠に出れば1級の登山道で、これから鳳凰三山方面に向かう登山者の姿を見かけるようになる。夜叉神峠付近から下部は再びガスの層に入ってしまい、登る人はこれからの天候が心配だろう。昨日の予報ではお昼くらいからにわか雨だったが実際どうなることやら。登山口に到着するとまだ駐車場は満杯になっておらず、平日のありがたみを実感できた。少々昼寝してから東京に向かった。 


 

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